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富士山噴火はいつ?南海トラフ地震との連鎖反応や首都圏への影響をまとめて解説します!

雑記
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火山活動の周期に科学的根拠はない

最後の噴火は1707年に起きた宝永噴火。なお5,600年前から今までに噴火した回数は180回を超えています。平均すれば30年に一度の頻度で噴火していた計算になりますが、その火山活動に周期的な法則があるという科学的根拠はありません。この300年間なぜ噴火していないのかは解明されておらず、周期的な予測ができないという点からも、いつ噴火が起きても不思議ではないというのが現在の状況です。

過去の噴火歴を見ると、富士山は圧倒的に小規模な噴火が多い山。それでも一般的に「噴火と噴火の間が長くなるほど、つぎの噴火規模は大きくなる」とされていることを考えると、こんど富士山が噴火すれば、相当な規模になる可能性を想定すべきでしょう。

噴火後3時間で首都圏は灰色(2~10㎝の火山灰が降り積もる)

火口ができる場所にもよるが、山梨・富士吉田市や静岡・富士宮市などでは噴火から2時間程度で溶岩流が到達する可能性があり、静岡・裾野市などでは12時間後には到達の可能性がある。溶岩流が3時間以内に到達する可能性がある範囲の避難対象者は、前回のハザードマップの約1万6000人から11万6000人と7倍になった。

2023年3月に静岡、山梨、神奈川3県などが策定した避難計画によると、避難対象地域や早期避難対象者数は拡大している。宝永噴火と同等の爆発的噴火が起こった場合、火山灰は、富士山周辺で最大数メートル以上と想定され、静岡・御殿場市50センチ以上、神奈川県中部10~30センチ、東京都心でも2~10センチが降り積もる。

降灰の影響と対策を検討する内閣府のワーキンググループによると、首都圏への影響が最大となるケースでは除去が必要となる火山灰の量は、東日本大震災の際の瓦礫の10倍にあたる4.9億立方メートル。

降雨の場合、3センチほど積もると、二輪駆動車は走行が難しくなり、10センチ以上だと四輪駆動車でも動けなくなる。降灰中は視界不良などによって走行不能になる。鉄道のレールに0.5ミリ以上火山灰が積もると、鉄道は運行停止を余儀なくされ、飛行機は微量でもエンジン内に火山灰を吸い込むと重大なトラブルが発生するおそれがあるため空港が閉鎖。降雨があれば火山灰は導電性を帯び、停電が発生し、火山灰がアンテナに付着すれば通信障害も発生する。

富士山の噴火後、首都圏には大量の火山灰が降るとされています。内閣府が20年4月に公表した最新予測によると、噴火後3時間程度で首都圏でも降灰が開始。2週間後には最悪の場合、山梨や神奈川では20cm、東京都心で10cmの堆積が予測されています。(くわしくは「富士山ハザードマップ」で検索)

ここで気をつけたいのが、火山灰の成分はガラスや岩石であり、紙や木を燃やして出る炭・ススとはまったくの別物であること。

目や呼吸器のダメージに警戒

富士山の噴出物のうち、離れた首都圏にまで届くのは非常に細かい火山灰。さらに硬く、鋭利に尖っているのが火山灰ならではの特徴です。目に入ると非常に痛く、結膜炎や角膜障害を引き起こす場合があります。吸い込むと鼻や喉に違和感・不快感を覚えることも。喘息や気管支炎などの肺疾患がある方や、重篤な心疾患がある方は症状が悪化するリスクが高まるため警戒が必要です。

原則として不要不急の外出は控え、外出時はマスクやゴーグルを着用し、呼吸器系や目へのダメージを防ぎましょう。とくにコンタクトレンズの使用は避け、もし火山灰が目に入った場合は、こすらず水で洗い流しましょう。

交通網と物流は麻痺状態

降灰中は視界不良だけでなく、わずか0.1〜0.5mmの堆積で車からはセンターラインなどが見えづらくなり、同時にスリップしやすくなるため、速度規制や広範囲での通行止めが予想されます(ワイパーを使うと火山灰でフロントガラスが傷ついてしまうので注意)。

鉄道では火山灰によってレール・送配電線の通電不良、信号やポイント(分岐器)の故障が起こるため、灰が積もり始め次第、すぐに運行は中止されます。地下鉄であっても、細かな火山灰が精密機器の誤作動・故障を招くため影響は甚大です。

空の便はさらに降灰に弱く、大幅なダイヤの乱れ・欠航が予想されます。火山灰はジェットエンジンの燃焼温度よりも融点の低いガラス質を多く含むため、エンジンに吸い込まれると熱で溶けて付着し、最悪の場合エンジンが停止する事故などに直結するからです。

長期的な大規模停電が発生

火山灰は乾燥した状態では電気を通しません。ところが水を含むと灰に付着した火山ガス成分などが溶け出して、電気を通す性質に変わります。これが災いして送配電機器・施設をショートさせることで、降灰後は広範囲にわたって停電状態になることが予想されています(灰の重みで電線が断線することも)。さらに発電所では、火山灰が換気口や精密機器に侵入・詰まることで稼働能力が著しく下がることが予測されています。

火山灰が引き起こす断水

水道水に不純物などが混入しないよう、浄水場では蓋などの設置が進められていますが、規模の大きな沈殿池など対策しきれていない施設も残っています。火山灰に付着した火山ガス成分が溶け出すことで、水質が汚染される場合があります。

火山灰には石こう成分が含まれていて、濡れると固い泥のようなドロドロの状態になります。道路など屋外に降り積もった灰が下水道に入り込んで凝結すると、都市の下水機能に支障をきたします。排水ができないのでトイレやお風呂が使えず、雨が降れば市街地で浸水が起こる危険性が高まります。

基本的な対策は、集めて捨てる除灰作業ですが、上記の理由から火山灰を側溝や排水溝やトイレに流すのは絶対にやめましょう。雨が降る前に片付けることが重要です。

降灰量は1mmで「多量」

気象庁の降灰予報は、降灰量を堆積した灰の厚みによって「少量」「やや多量」「多量」の3段階で表現します。

「少量」とされる0.1mm未満でも航空機は欠航となり、「やや多量」の1mm以下で鉄道は運休、1mmを超えると「多量」とされ外出や運転は控えるよう呼びかけられます。いつも目にする雨の降水量とはまったく異なる尺度である点に留意しましょう。

巨大地震は富士山噴火の引き金に

1707年の宝永噴火は、マグニチュード8.6とされる宝永地震(南海トラフが震源)の49日後に発生しました。東日本大震災を起こしたM9.0の地震直後には、全国の活火山111個のうち20個が活発化。地震活動と火山活動は密接に影響し合っているため、次に南海トラフ巨大地震首都直下地震が起きれば、富士山が連動して噴火すると危険視されています。

備蓄は水とトイレから

また災害による直接死を逃れたとして、生き続けるためには水が必要です。人間は絶食状態であっても、水と睡眠が取れれば2〜3週間は生きられると言われていますが、水がなければ4〜5日で死んでしまいます。

そして命ある限り、排泄を我慢することはできません。
ですが、その辺で適当に……という訳にはいきません。人間の排泄物には多くの細菌が存在しているので、その辺に埋めたり放置すれば感染症や害虫の発生を引き起こします。本人だけでなく、環境を共にする全員の二次被害を防ぐために、排泄物を衛生的に処理するための道具は絶対に必要なのです。

以上の理由から、優先的に備えるべきは飲み水非常用トイレです(最低でも3〜7日分)。

まとめ:想像を超える被害に対策を

地震は人命を奪いますが、火山の噴火は文明社会を丸ごと滅ぼす災害です。西暦79年にイタリアのベスビオ火山が、一瞬にしてポンペイの街を飲み込んだ悲劇は有名です。1783年の浅間山噴火は北半球全体の寒冷化を引き起こし、日本だけでなくヨーロッパでも農作物が育たず飢饉が発生、これがフランス革命に突き進む遠因のひとつになったという説があるほどです。

一方で近代化が進んで以降、日本の首都圏ほどの大都市のすぐそばで火山が噴火した例はありません。つまり近代都市が噴火の影響をどう受けるのか、具体的に予想する参考材料がないのです。予想外の事態も起こるとはいえ、最低限、いま予想されている被害への対策は講じたいものです

富士山の噴火では、降灰による生活への影響、停電・断水が予想されます。短期で過ぎ去る台風と違って、影響を受ける期間が長期になる点は注意が必要です。基本的には大地震への備えを応用できますが、ゴーグルなど一部のアイテムは別途用意する必要があるでしょう。想像力を働かせて、シミュレーションを重ねることが大切です。

U-star電材ガス設備事業グループ  代表

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